バイエル

ピアノをされていたお母さんから「バイエル」はしないんですか?と聞かれることがあります。
私たちが子供の頃はみんな当たり前のようにバイエルをやっていましたからね!
私ももちろんやりました。3回も!
1回目の時は母が先生で、そのあと先生が2回変わったので、最初からやり直しましょうか〜となって3回もやる羽目に(´Д` )

でも私はバイエルは使いません。

バイエルって106番まであるんですよね。レッスンが年間48回あるとして…ものすごーく真面目な生徒さんがいたとして、毎回1曲合格するとしても2年3ヶ月かかるんですよ。でもそんな子はめったにいないでしょうし、飛ばし飛ばしやったとしても1年で終わるのは難しいでしょう。それどころか1年生からピアノを習っていて、高学年になってもまだ終わらないという声を耳にします。終わりがみえないバイエルの練習を延々続けたお陰でピアノ嫌いになった方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?

でも私がバイエルをやらないのは106番まであって大変だからという理由ではありません。バイエルが苦労してやるだけの価値がある曲集ならまだわかります。でもはっきり言って機械的な曲ばかり、メロディーも全然きれいではないですし、左手の和音も単純です。感動できる部分がないので「歌って弾く」練習もできません。労力の割に得るものが少なすぎると思います。身につくのは読譜力と忍耐力くらいです。が、読譜力も忍耐力もバイエルをしなくてもつきます。テクニックの本なんだからつまらなくて当然と割り切って使うにしても、どんなテクニックのための練習なのかわからない曲も多いですし、ただ楽譜通りに指を動かすだけの固い演奏を身につけてしまう子が多いように思います。外国では「バイエルって誰?」というくらい作曲家としても知名度が低いのに、どうして日本ではみんなバイエルをやっていたんでしょうね?真面目にコツコツ練習するのが得意な日本人の性格に合っていたのかもしれませんね。

それに比べてバッハ、ベートーベン、モーツァルト、ショパンなどの大作曲家の曲は格が違います‼︎曲から学べる事がたくさんあります!
バッハは右手にも左手にも多彩なメロディーが出てきて、左手を美しく弾く技術が身につきます。
ショパンの曲はメロディーも左手の和音もウットリしちゃうくらいきれいなので美しいメロディーに感動する心が育ちます。それにより自然に表現力がつきます。
ベートーベンもモーツァルトもそうです。
大作曲家が作曲した名曲が一生かかっても弾けないくらいあるのに、バイエルなんてやっている暇はないというのが私の考えです。

生徒さんたちには効率のよいテクニックの本で学びながら、名曲をたくさん弾いてもらいたいと思っています。

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