まず最初に身につけてほしい事

「自分で楽譜を読んで弾けるようになってほしい!」ピアノを習わせておられるお母さんはみんなこうおっしゃいます。もちろん‼︎将来的にはそれを目指しています。

でも私は読譜力よりも先にまず正しい奏法、音感そして豊かな表現力を身につけてほしいと思っています。

脱力、手首や腕の使い方、指の形などは変な癖がついてしまうとなかなか直りません。最初から正しい奏法を学ぶ事が上達への近道だと思います。

そして音感ですが、絶対音感まではいかないとしても、(絶対音感は5歳までしか身につかないと言われています)簡単なメロディーに左手に和音をつけられる、ピアノで弾いた音がわかるようになってほしいと思っています。聴力は4歳から6歳までに飛躍的に発達し、その後はほとんど発達しないことから、時期が遅いと音感は身につける事が大変難しくなります。そしてただ音が聴きとれるだけではなくて、左手と右手がそろっているか、メロディーが際立っているか、ペダルがにごっていないかなど(まだまだありますが)そういう事がわかる耳を育てる事はとても重要な事です。音楽は耳が命です。そういう事がわかる耳が育ってこそ、きれいな音楽を作り出す(演奏する)事ができます。それで私はレッスン中によく「耳を使って」とか「よく聴いて」と生徒さんに言います。

そして表現力を身につけるには、小さいうちにいい音楽にたくさん触れ、いい音楽に感動する心を育てる事が重要だと思っています。それで私は、習い始めから美しいメロディーの曲、和音の響きがきれいな曲を選曲して、最初のうちは耳で覚えて弾けるように指導しています。楽譜を読んでいたらとても弾けないような曲でも、子どもの吸収力はすごいもので「このメロディーすごくキレイだと思わない?」などと暗示をかけると素直な生徒さんたちは「ほんとだーきれいー」とか言いながら、すぐ覚えてしまいます。そして最初「こんな曲ムリです~」と言いたげだった生徒さんもお母さんも、「もうこんなキレイな曲が弾けた‼︎」と喜んでくれます。それに、楽譜を読んで弾くよりも、小さいお子さんはまねっこの大天才ですから、上手なお手本を聴き、覚えて弾く方が歌心のある演奏をしてくれます。

それに対して読譜力に関しては、宿題のドリルをしっかりやって、ポイントをおさえれば、(譜読みの仕方についてはまた書きたいと思います)心配しなくても学年が上がるうちに読めるようになります。奏法や音感と違って、小さいうちに始めないと身につかないというものではありませんし、音符を読めるようになるには、少しのコツとあとは慣れです。たくさん楽譜を読んでいくうちに早く読めるようになっていきます。練習時間と比例するといってもいいと思います。

ですからまず、正しい奏法を身につけ、よい耳を育てて、表現力豊かな演奏ができるように頑張りましょう(*´∇`*)

 

 

 

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